【完】夢見るマリアージュ

「じゃあさ、俺チョコ頼むから城田さん苺にしなよ。 そうしたら半分こ出来るじゃん」

「あ、ナイスアイディアです。 でもいいんですか?北斗さん食べたい物あったんじゃあ…」

「うん。俺も苺とチョコで迷っていた所。 やっぱり定番だよなあー」

こちらに気を遣わせない、さり気ない優しさが嬉しかった。 注文した後に一つの物を二人でシェアしなくちゃいけないやばさに気が付いたけれど。

北斗さん、嫌じゃあないかなあ。私と一つの物をシェアするの。 気持ち悪いって思われないだろうか…

そんな心配は他所に、注文したパフェもお酒も驚く程美味しかった。 お酒がまわると自然と緊張も解けて、思っていたよりずっと楽しい時間が過ごせたのだ。

お酒の入った北斗さんはいつもより楽し気で、目尻に皺を寄せて楽しそうに笑っていたんだ。
改めて見て、綺麗な顔立ちだと知る。

綺麗な二重に、小さな鼻。 歯並びが良くスマイルラインが綺麗で、無駄なお肉など何一つない綺麗な輪郭で笑うともっと美しくなる。

私とは違い過ぎるから、一つの物を二人でシェアしている事さえ信じられない。

もっと自信のある私だったら、北斗さんの視線から目を逸らさずに堂々と振舞えるはずなのに…
どうしても劣等感が先に来てしまう。

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