【完】夢見るマリアージュ
「すっごく理想!イケメンで背が高くてしかも社長の息子なんて理想通りの人だわッ!」
そこまでハッキリと言いきってしまう岸田さんは少し羨ましい。 私は自分に自信がないから、ハッキリと物事を言えない。
けれどハッキリと言い終えた後、岸田さんはまた深いため息を吐いた。
「北斗さんと結婚出来たら夢のような生活が待ってる…!入社した時からそう思ってアプローチをしてはみたものの…
彼ったら全然なびいてくれないんだもの…!
この私が誘ってるのに誘いには一度も乗ってくれないし、皆での飲み会なら顔は出してくれるのに私と話しててもちっとも楽しそうじゃなくって…
はぁ~…嫌だ嫌だ。まさか北斗さんが女の趣味がこれ程にも悪いとはね……」
岸田さんはキッと瞳をつり上げて再びこちらを睨みつけた。
首を傾げると、更に深いため息を漏らした。
「何をさえない顔してんのよ…。 私には到底北斗さんの趣味は信じられないけど、北斗さんあなたとは仲が良いんでしょう?
マジでムカつくけど…城田さん最近努力もしてるみたいだし…
何よりも事務にいる青柳なんつー気に食わない女に取られるよりかはマシね。」