ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「では、早速面接を始めようか。ダニエル」

 ダニエルは心得たとばかりに面接予定の者を案内する。

 ルカ、フーゴ、クリスタ、リーゼロッテの順番に腰かけている部屋に、本日、面接する四人の使用人候補が連れてこられた。みな頭を下げ、伯爵であるフーゴに礼を取っている。

「顔を上げなさい」

 フーゴがそう言うと、四人は恐る恐る顔を上げた。面接までこぎつけた者はみな、しかるべき推薦状を持った素性がしっかりした者たちである。

 しかし、ダーミッシュ家では、それ以上に採用条件に重要な項目があった。それは、リーゼロッテに対する反応である。

 なぜだか理由はわからないのだが、リーゼロッテを目の前にして、あまりにも失礼な態度をとる人間が少なからずいるからだ。

 青ざめるくらいならまだいい。もちろん採用などしないが。

 こんなにも愛らしいリーゼロッテを前にして、悪魔だなんだと騒ぎ立てる者までいた。そんな者は永久にダーミッシュ家出入り禁止だ。

 出入りの業者も、このリーゼロッテの面接をクリアしたものだけが、ダーミッシュ家ご用達となることを許されている。ちなみにエラは、満場一致で即採用が決定した。

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