ふたつ名の令嬢と龍の託宣
クリスタは三年前、リーゼロッテがはじめてのよそ行きのドレスに、とてもはしゃいでいたのを思い出した。そして、結婚式に欠席してちょっと落ち込んでいた姿も覚えている。
「リーゼがそう言うなら……そうね、そうするといいわ。エラ、大変だと思うけど、リーゼのためにお願いね。いつもの仕立て屋にも連絡して、手伝いに来てもらえないかきいてみるわ」
「ありがとうございます、お義母様!」
公爵からのドレスなど着ることはできないリーゼロッテは、心の中でガッツポーズをした。
「アクセサリーは、このペンダントにします。着飾るようなお茶会ではないでしょうし」
「あら、先日素敵な首飾りと耳飾りをいただいたと聞いたけれど?」
「奥様、あちらは夜会などにふさわしい豪華なものでした。昼間のお茶会には少々につかわしくないかと……」
(ナイスよ、エラ!)
「まあ、そう。……では、それはリーゼロッテの社交界デビュー用だったのかしら。公爵様はリーゼロッテのデビューためにドレスを仕立ててくださっているそうよ」
(ピンチよ、エラ!)
リーゼロッテは顔を青くしたが、今は数日後のお茶会を乗り切る方が先だった。
――そして、とうとう王妃のお茶会の日を、迎えるのであった。
「リーゼがそう言うなら……そうね、そうするといいわ。エラ、大変だと思うけど、リーゼのためにお願いね。いつもの仕立て屋にも連絡して、手伝いに来てもらえないかきいてみるわ」
「ありがとうございます、お義母様!」
公爵からのドレスなど着ることはできないリーゼロッテは、心の中でガッツポーズをした。
「アクセサリーは、このペンダントにします。着飾るようなお茶会ではないでしょうし」
「あら、先日素敵な首飾りと耳飾りをいただいたと聞いたけれど?」
「奥様、あちらは夜会などにふさわしい豪華なものでした。昼間のお茶会には少々につかわしくないかと……」
(ナイスよ、エラ!)
「まあ、そう。……では、それはリーゼロッテの社交界デビュー用だったのかしら。公爵様はリーゼロッテのデビューためにドレスを仕立ててくださっているそうよ」
(ピンチよ、エラ!)
リーゼロッテは顔を青くしたが、今は数日後のお茶会を乗り切る方が先だった。
――そして、とうとう王妃のお茶会の日を、迎えるのであった。