僕を、弟にしないで。僕はお義父さんの義息子になりたい

「蓮夜、そろそろ敬語外すか」

 紫月さんが俺を見て笑う。俺の気持ちを察してくれたのだろうか?

「え、いいんですか?」

「ああ、もちろん。あ、でも、蓮夜に義勇って呼ばれんのはイマイチだから、呼び方は今のままでいいか?」

「お義父さんって、呼んだらダメですか?」
「あー、まあ、それでも別にいいけど」
 紫月さんが照れくさそうに頬をかく。

「お、お義父さん」
 紫月さんの隣に座って、言う。紫月さんはりんごみたいに顔を真っ赤にして、俺から顔を背けた。

「あはは。義勇、相当懐かれているみたいだね」
「まあ、はい」
 紫月さんは顔だけじゃなくて、耳まで赤くなっていた。

「蓮夜くん、ご飯は食べた?」
「まだ食べてないです。さっき起きたばっかりで」
「そっか。じゃあ俺が、ご飯を作ろう。何がいい? 材料はいくつか買ってきたのだけど」

 大地さんが目の前に来て、肩にかけていた鞄の中身を俺に見せる。鞄の中には財布と、パスタを作るのに使う麺とパスタ用のクリーム、卵、それに冷凍のたこ焼きやチャーハンが入っていた。片手で食べられそうなものばかり入っている。

「チャーハン食べたいです」
 パスタは片手でも食べられるだろうけど、クリームをこぼしてしまう可能性があるし、たこ焼きはおやつって感じがするから、チャーハンがいい。
「わかった」
 そう言うと、大地さんは部屋のドアのそばにある台所に行って、すぐにチャーハンを作ってくれた。
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