意地悪な副社長との素直な恋の始め方


『今日は、女優人生最後のクランクイン。張り切って早起きしたら、ステキなものに出会えました! 映画の撮影に興味があれば、見学に来てみてね? 大歓迎よ! 月子』


送られてきたメッセージに添えられていたのは、燃えるような朝焼けの写真だった。


「キレイ……」


鮮やかな朱色に、あの夏の日を思い出した。

海と空を染める朝焼けを延々と撮影した日のことを。
自分が、彼に恋をしていると自覚した日のことを。



もう戻れない日々を。




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