婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「外国の物語にそんな話があったような。でも、そうだとしたらどうすれば……旦那様の母君はいったい誰の恨みを買ったのでしょうか」

それが分からない限り、解呪のヒントを掴むのも難しい。

「アレクシア様、血筋にかかった呪いと言ったでしょう? メイナード様の母君も受け継いだものなのかもしれないですよ」

ルーサーはアレクシアを探るような目で見つめながら言った。

「え、それってつまり」

メイナードの母はオールディス王国王女。現国王の妹にあたる女性だ。

「王家がなにかをしたの……」

アレクシアの震える声が、頼りなく部屋に響いた。


オールディス王国は建国二百年。

現国王は、第十二代の王になる。

(初代王のときの出来事がきっかけだったら、どうしよう)

王家が呪われているなんて、そんな話は聞いたことがないが、実際メイナードには異変が起きているのだし、否定は出来ない。

ただ、二百年前なら術者はもういない。かけた本人に解いてもらうという手段はなくなったということだ。

「旦那さまを治してあげたいのに」

口にはしないけど、不安がないはずがない。

メイナードの気持ちを思うと、心が沈んでしまう。

悲しい気持ちが顔に出ていたのか、一日の執務を終えてアレクシアの部屋にやって来たメイナードが怪訝そうな表情をした。

「なにかあったのか?」

「いいえ。何でもないですよ」
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