婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
(どうしてここに? 魔物の盗伐に出ていたんじゃないの?)
不在だと思っていた夫の登場に驚き戸惑うアレクシアの直ぐ目の前で、彼は立ち止まった。
「無事か?」
「え?」
メイナードの口ぶりはまるで危険が間近に迫っていたかのようだ。ここは安全な城内だと言うのに。
(不思議な鳥は落ちて来たけど、旦那様は知らないはずだし)
なにについて言われているのか理解できず、アレクシアは首を傾げる。
メイナードは周囲を見回してから、再びアレクシアを見下ろした。
見つめ合う形になったものの、今日も変わらず仮面を付けているので、表情がまるで読めない。
「一体どうされたのですか?」
「この辺りに魔獣が逃げ込んだ。危険があるからあなたは部屋に戻ってくれ」
「魔獣?」
思いがけない言葉にアレクシアは目を見開く。同時にディナが小さな悲鳴を上げたのが聞こえた。
「逃げ込んだって、ここは城の中なのに」
内向きの使用人は少ない城だが、門や城内の要所には常に騎士の姿がある。アレクシアの部屋に繋がるここまで入り込めるとは思えないけれど。
「鳥型の魔獣だ。こちらの攻撃で深手を負ったが空を飛んで逃げた。この辺りに落ちたはずだが」
つまりメイナードは、逃げた魔獣をここまで追ってきたということだろうか。
「私は先ほどから庭にいましたが魔獣の姿なんて……あ、鳥型?」
まさかさっき見かけた不思議な鳥は……。
不在だと思っていた夫の登場に驚き戸惑うアレクシアの直ぐ目の前で、彼は立ち止まった。
「無事か?」
「え?」
メイナードの口ぶりはまるで危険が間近に迫っていたかのようだ。ここは安全な城内だと言うのに。
(不思議な鳥は落ちて来たけど、旦那様は知らないはずだし)
なにについて言われているのか理解できず、アレクシアは首を傾げる。
メイナードは周囲を見回してから、再びアレクシアを見下ろした。
見つめ合う形になったものの、今日も変わらず仮面を付けているので、表情がまるで読めない。
「一体どうされたのですか?」
「この辺りに魔獣が逃げ込んだ。危険があるからあなたは部屋に戻ってくれ」
「魔獣?」
思いがけない言葉にアレクシアは目を見開く。同時にディナが小さな悲鳴を上げたのが聞こえた。
「逃げ込んだって、ここは城の中なのに」
内向きの使用人は少ない城だが、門や城内の要所には常に騎士の姿がある。アレクシアの部屋に繋がるここまで入り込めるとは思えないけれど。
「鳥型の魔獣だ。こちらの攻撃で深手を負ったが空を飛んで逃げた。この辺りに落ちたはずだが」
つまりメイナードは、逃げた魔獣をここまで追ってきたということだろうか。
「私は先ほどから庭にいましたが魔獣の姿なんて……あ、鳥型?」
まさかさっき見かけた不思議な鳥は……。