恋歌-Renka-



「帝くんのクラスだから来ちゃった~!」



「でも、執事は女の子がやってるんでしょ?ちょーガッカリ」




「いらっしゃいませ、お嬢様方。ガッカリなんて言えないくらい楽しませてあげますよ?」




自分でも気持ち悪いと思うくらい
あま~いボイスで



こっぱずかしい台詞を
淡々と述べる。



一つ、執事は常に冷静に。




「か、かっこいい///」



「名前は!?」




「申し遅れてしまい大変失礼いたしました。華乃斗と申します……以後お見知りおきを。可憐なマドモワゼル」



ニコッ



必殺 爽やかスマイル



って……………おうぇ



何が可憐なマドモワゼルだよ!



誰だ!?こんな気色悪い
台詞考えた奴は!!!




しかし表上に出してはいけない
この感じ……どうしてくれんの?




爽やかスマイルが引きつらないよう
必死に耐えながら働く。




「さて、こちらの席へどうぞ。」




お客様を席まで誘導して
座らせる………




「ご注文が決まりましたら、お近くの執事にお声かけ下さい。すぐに承りますよ、貴女の為だけに……」




「やばいっ///あたし華乃斗くん好きになっちゃいそー」



「華乃斗くんご奉仕してぇ///」




「かしこまりました、お嬢様。」




やれやれ。




執事も簡単じゃないな……。
< 126 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop