恋歌-Renka-
「はぁああああぁっ」
今は休憩室で
私は頭を抱えながら
盛大な溜め息をついて
しゃがみこむ……
「お疲れさん」
帝も休憩室に来ていたようで
私の頭を優しくポンポンと叩く。
それが心地よくて
自然と険しい顔が緩む……
「なあ、花音」
「ん、何だ?」
「せっかく休憩一緒なんだし、一緒に回らね?」
「え?」
あまりに唐突すぎて
聞き返してしまう
「だから、文化祭一緒に回らね……って?」
まさか、そんなこと
言われるなんて
思ってなかったから……
嬉しくてついニヤけてしまう。
「何故ニヤけてる?………で、どうすんの?」
「ごめん、嬉しくてつい!一緒に回ろう!」
「あ、ああ。」
二人で休憩室を出ると
同時に帝が手を差し出す
「何?」
「手………」
「手?」
「本当、救いようのない鈍感だよね……手を繋ぐって意味だ、ばーか。」
そう言って私の手をとって
指と指を絡める。
ドキドキドキドキっ
初の恋人繋ぎ………
大好きな人と近くにいるせいか
心臓の鼓動がうるさくなる。
どうか、この心臓の音が
帝に聞こえませんように……。