恋歌-Renka-
「具合悪いんですか?」
ふいに隣から声が聞こえた。
私は顔を上げ左隣に視線を移す。
そこには、眼鏡をかけて
いかにも真面目そうな感じの
イケメン男子がいた。
「別に」
「そうですか。俺は西谷 優樹と言います。隣ですし、よろしくお願いします。」
「ちなみにあちらにいるのが親友の帝 涼太で、その後ろにいるのが親友の美盛 蒼です。」
やけに丁寧に喋る西谷。
私は何だか悪い気はせず
”こちらこそ“と微笑んだ。
チャイムが鳴り
皆が席に着く。
担任こと美島 杏里が
笑顔で教室に入ってきた。
「みんな、おはよう!」
「「おはよーございまーす!」」
「今日は委員会とか決めてくよー!」
先生が着々と話を
進めていく。
委員会か…
この学校はどうやら
強制参加らしい。
必ず何かしらの
委員会に入らなくては
いけない…。
なら私は生物委員会がいいな
動物の世話は得意だ。
今まで先生が挙手制で決めてきて
後は決まらず仕舞いの学級委員と
これから聞かれる生物委員。
私が先生の言葉を待っていると
いきなり“はい”と手が上がった。