恋歌-Renka-
みんな一斉に声の主に
視線を向ける。
わたしも、それとなく
視線を動かす。
手を上げている人物は
帝 涼太だった。
「はい、帝くん。どうしたの?」
「思ったんですけど、冬院さん学級委員に適任じゃないですか?」
「なっ!!」
私は驚いて声を上げる。
「そうかもね。冬院さんどうかな?」
先生が私に答えを求める。
勿論、答えはノーだ。
「私は、生物委員がや…「みんなはどう思う?」
私の言葉を遮って
みんなに質問を促す帝。
なんなんだコイツ!!
私の脳裏にフツフツと怒りが
沸き上がってきた。
「いいと思いますよ? ほら、冬院さん、真面目そうだし。」
西谷まで!!
「私も、冬院さん合ってると思う!」
「だよね、なんかみんなをまとめてくれそう!」
「俺も、いいと思う!」
「そうだよ、やりなよ冬院さん!」
今度はみんなが私に視線を向ける。
なんて最悪な事態だ。