来世にご期待下さい!〜前世の許嫁が今世では私に冷たい…と思っていたのに、実は溺愛されていました!?〜
 求めていなかった急な謝罪のせいで瞬間的にパワーの湧き上がった恋幸は、腹筋の力だけで勢いよく上半身を起こして裕一郎に顔を寄せる。

 いつもならば彼女の方が裕一郎の整った顔を間近に見て我にかえり後退する場面だが、今回ばかりは彼の方が驚いて少し後方へ体を逃す番だった。


「私は……! 前にも言いましたけど、私は私の中で作り上げた勝手なイメージを倉本さんに押し付けるつもりは毛頭無いです! こう思ってるかな? とか、そういう時に予想と違っていたら少し驚いたり恥ずかしくなることは勿論ありますけど……でも、さっきの件だって、私を求めてくれたんだって思うと嬉しいですし、倉本さんが思っていた事を言葉にして伝えてくれるのがいつもすごく嬉しいんです!」
「……小日向さん」
「私にとっての“理想”の倉本さんは、今こうして目の前に居る『倉本裕一郎』だけです! 私の頭の中には存在しません! だから、」
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