下弦の月*side story*
永倉さんと斎藤さんが帰って来てから。





皆で、お月見団子を作っている。






八重は、仕事が終わってから駆け付けることになり、山崎さんが迎えに行ってくれるらしい。







「おい、総司!あんまり餡子を入れんじゃねぇぞ!」






「ああ、甘味が苦手な土方さんが食べられませんもんね。」






「俺だけじゃねぇ。月香も苦手なんだよ!」






その、言葉で団子を作っていた皆の視線が私と土方さんに向けられた。







「そうなのか?」





平助くんが、私に訊くから小さく頷くと。




しまった、という顔をした土方さんは沖田さんの標的にされた。






「よく知ってますね。」





ニコッとした顔は、意地悪で楽しげな表情で。






「…チッ…知ったのは花火ん時だ…」






舌打ちと眉間の皺なんて関係ないとばかりに、




ふ~ん、と沖田さんは団子作りをまた始めた。





ーーー月が出始めた縁側。





団子よりもお酒の原田さんと永倉さん。




じゃれ合いながら、団子の取り合いをしている沖田さんと平助くん。





お酒を飲みながら、みんなを微笑ましく見ている斎藤さん。






談笑している近藤さんと山南さんと、井上さん。






八重も、原田さんや永倉さんと騒ぎ始めて。





空いたお皿や転がっている徳利を持って勝手場に行くと、






「手伝うぜ。」





背後からの声を振り返ると、ほんのり顔の赤い土方さんが立っていた。






「土方さんに、手伝って貰うなんて申し訳ないので…」






「…いいから手伝わせろ!」





軽い舌打ちの後に、そう言って器用にたすき掛けをして。




洗い物を始めてしまった。






二人だからか、あっという間に片付いて。
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