下弦の月*side story*
3年も付き合って居たんだから、辛いのは辛いけれど。
それだけの涙のせいじゃない、明る過ぎるクリスマスのイルミネーションも、
寂しい気持ちが増した要因で、
この人の温かさと優しさも涙を誘っている。
もうこのまま温かい、この人の腕の中で溶けて消えたい。
前世の私もこうして、甘えてた気がする。
温かさと優しさを持った、原田さんに。
斎藤さんを好きな事を知っていて、
御陵衛士に加わった時、会えない寂しさを紛らわせてくれた。
笑顔をくれた、元気をくれた。
きっと、原田さんは好きだったんだ…前世の私を。
沖田さんにも、言われたような記憶がある。
『真面目で不器用な一くんより、八重ちゃんを大切にしてくれそうな佐之さんの方が幸せになれるよ。それなのに、一くん一筋なんて…健気だね。僕だったら、佐之さんを好きになっちゃうけど。』
って……そんな事を。
だけど、沖田さんは最後の日の前日。
『僕が死んだら、一くんを追い掛けるんだよ。何を言われても…離れちゃ駄目。僕は、八重ちゃんには感謝してるんだ。ずっと…看病してくれて、役目を果たせなくなった僕の支えになってくれて。
だから…幸せになって欲しい。』
なんて事を、言ってくれて。
私の涙を拭いてくれたんだよね、痩せ細った冷たい指で何度も何度も。
私の中に残ってる鮮明な沖田さんの姿。
だけど……ごめんね、沖田さん。
転生しても私は、斎藤さんとは駄目みたい。
幸せにはなれないみたい。
今、沖田さんに会ったら…貴方は何て言う?
馬鹿だね。
って…笑うんだろうね。
こんな、記憶まで頭をかすめて。
沖田さんならって…考えたらまた、
落ち着き始めた涙腺は、決壊して。
淳平さんの腕の力は強くなっていた。
それだけの涙のせいじゃない、明る過ぎるクリスマスのイルミネーションも、
寂しい気持ちが増した要因で、
この人の温かさと優しさも涙を誘っている。
もうこのまま温かい、この人の腕の中で溶けて消えたい。
前世の私もこうして、甘えてた気がする。
温かさと優しさを持った、原田さんに。
斎藤さんを好きな事を知っていて、
御陵衛士に加わった時、会えない寂しさを紛らわせてくれた。
笑顔をくれた、元気をくれた。
きっと、原田さんは好きだったんだ…前世の私を。
沖田さんにも、言われたような記憶がある。
『真面目で不器用な一くんより、八重ちゃんを大切にしてくれそうな佐之さんの方が幸せになれるよ。それなのに、一くん一筋なんて…健気だね。僕だったら、佐之さんを好きになっちゃうけど。』
って……そんな事を。
だけど、沖田さんは最後の日の前日。
『僕が死んだら、一くんを追い掛けるんだよ。何を言われても…離れちゃ駄目。僕は、八重ちゃんには感謝してるんだ。ずっと…看病してくれて、役目を果たせなくなった僕の支えになってくれて。
だから…幸せになって欲しい。』
なんて事を、言ってくれて。
私の涙を拭いてくれたんだよね、痩せ細った冷たい指で何度も何度も。
私の中に残ってる鮮明な沖田さんの姿。
だけど……ごめんね、沖田さん。
転生しても私は、斎藤さんとは駄目みたい。
幸せにはなれないみたい。
今、沖田さんに会ったら…貴方は何て言う?
馬鹿だね。
って…笑うんだろうね。
こんな、記憶まで頭をかすめて。
沖田さんならって…考えたらまた、
落ち着き始めた涙腺は、決壊して。
淳平さんの腕の力は強くなっていた。