空を舞う金魚
翌日は滝川に誘われてショッピングに出かけた。学生時代に特に仲のいい友達も居なかった千秋は、リップを買った時に続き、滝川と二度目のお出掛けに来ていた。
「千秋ちゃん、着たー?」
今はアパレルビルのとあるショップに居る。滝川が、デート服に良いよ、と太鼓判を押したその店で、千秋は滝川の見繕ってくれたセットアップを試着している。
「滝川さん……。これ、スカート短いです……」
「何言ってんの。大台に乗ったら着れない丈よ。今のうちに楽しんでおかなきゃ」
ハンガーに掛かってるところを見ただけだと、やさしくくすんだ色合いに小花がちりばめられていてとてもかわいいと思ったのだが、いかんせん千秋が何時もオフィスに着て行っているスカートよりも五センチくらい丈が短い。
「滝川さん……、出て行かなきゃ駄目ですか……?」
「そりゃそうよ。外に大きな鏡もあるわよ。折角私が選んだんだから、私に見せてよ」
そう言われてしまうと出て行かざるを得ない。膝の感覚に戸惑いながら、試着室を出た。