空を舞う金魚

火の通りが良い鮭や野菜でホイル焼きを作ったり、カレーのルウをこしらえたり、男性陣が豪快に肉や魚介類を焼いている隣で、女子はこまごまと忙しい。それでも会社の狭い給湯室でお茶を淹れているよりはよっぽど心が軽くて、アルコールを片手に釣りをしたり、肉を焼いたりして賑やかな職場の人たちを見るのは楽しかった。

程よく肉や魚に火が通ると、皆で豪快に分けて食べた。千秋もきのこのホイル焼きとカレーをもらった。狭い建物の中で食べるカレーと違って、開放的な空気の中で食べるそれは、幾倍も美味しい。

「美味しい~」

「ね、気分が変わると味覚も変わるよね」

滝川や他の社員と一緒にわいわいと食事を囲んでいると、砂本さんが声を掛けてきた。

「ビニールボール持ってきてるから、体が重くなる前にバレーとかどう?」

「いいねいいね~。千秋ちゃんは?」

「あは、私は良いです。あんまり運動得意じゃなくて」

イメージ壊さないなー、と笑って、滝川さんたちは砂本さんと一緒に食べ終わった食器を置いて河原の方へと遊びに行った。千秋はその残された紙コップやお皿を集めてごみ袋に纏めた。施設の方で炭による汚れなどは落としてもらえるとのことなので、本当に持ってきた物によって出たごみの始末だけだ。簡単に後片付けが終わって良いなあと感じた。
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