偽装結婚のはずが、天敵御曹司の身ごもり妻になりました
「これからよろしく、奥さん」
ふたりで駐車場に向かっていると、彼が不意に立ち止まり、耳元で甘く囁く。
その声にこらえていたはずの涙があふれだす。
「俺の奥さんは可愛い泣き虫だな」
「だって……!」
「そうやってひとつひとつに感情が揺れるのが藍のいいところだ。藍はそのままでいたらいい」
真剣な表情で櫂人さんが骨ばった指で私の涙をそっと拭う。
「これから先、藍の涙を拭うのは一生俺の役目だから」
満足そうに口にする彼に、心臓が壊れそうな音を立てる。
一生、という単語がくすぐったくて、頬にカッと熱が集まる。
これ以上ドキドキする出来事はないだろうと思うのに、彼はいつもその限界値をあっという間に飛び越えてくる。
嬉しすぎるとなにを口にすればいいのかわからなくなるのだと初めて知った。
「でもこれからはあまり泣かないように……」
したい、と言いかけた私の言葉は突然のキスに呑みこまれた。
そっと唇を離した彼が、コツンと私の額に自分の額をくっつける。
「さっきも言ったが藍が泣いたら、俺が慰めるし一生守る。だから藍はなにも我慢しなくていい。これから先、俺は藍を悲しませないと誓うから」
「そんな言い方したら泣くに決まってるのに……!」
どうしてこの人はこんなにも私がほしい言葉を簡単にくれるのだろう。
「じゃあ慰めようか」
そう言って、再び唇を重ねる。
何回もまるで私を宥めるように優しく唇を啄む彼に気持ちが溢れる。
キスの合間に櫂人さんが優しく囁く。
「藍、ずっと一緒にいよう」
その瞬間、私はきっと世界で一番幸せな花嫁だったと思う。
もう決して迷わない。
私はこの人とずっとともに歩いていく。
end
ふたりで駐車場に向かっていると、彼が不意に立ち止まり、耳元で甘く囁く。
その声にこらえていたはずの涙があふれだす。
「俺の奥さんは可愛い泣き虫だな」
「だって……!」
「そうやってひとつひとつに感情が揺れるのが藍のいいところだ。藍はそのままでいたらいい」
真剣な表情で櫂人さんが骨ばった指で私の涙をそっと拭う。
「これから先、藍の涙を拭うのは一生俺の役目だから」
満足そうに口にする彼に、心臓が壊れそうな音を立てる。
一生、という単語がくすぐったくて、頬にカッと熱が集まる。
これ以上ドキドキする出来事はないだろうと思うのに、彼はいつもその限界値をあっという間に飛び越えてくる。
嬉しすぎるとなにを口にすればいいのかわからなくなるのだと初めて知った。
「でもこれからはあまり泣かないように……」
したい、と言いかけた私の言葉は突然のキスに呑みこまれた。
そっと唇を離した彼が、コツンと私の額に自分の額をくっつける。
「さっきも言ったが藍が泣いたら、俺が慰めるし一生守る。だから藍はなにも我慢しなくていい。これから先、俺は藍を悲しませないと誓うから」
「そんな言い方したら泣くに決まってるのに……!」
どうしてこの人はこんなにも私がほしい言葉を簡単にくれるのだろう。
「じゃあ慰めようか」
そう言って、再び唇を重ねる。
何回もまるで私を宥めるように優しく唇を啄む彼に気持ちが溢れる。
キスの合間に櫂人さんが優しく囁く。
「藍、ずっと一緒にいよう」
その瞬間、私はきっと世界で一番幸せな花嫁だったと思う。
もう決して迷わない。
私はこの人とずっとともに歩いていく。
end


