丸い課長と四角い私
食欲がないからって、断るつもりだった。
でも、どこかで蔵田課長と食事をするこの日を、心待ちにしている自分がいて。
もしかして、蔵田課長との食事だったら、おなかが空くんじゃないかって期待もした。
でも、全然ダメだった。

「おいで」

突然立ち上がった蔵田課長は、私の手を掴むと歩き出した。

「いや、だから、帰りますって!」

「いいからおいで」

振り払おうとするのだけれど、やっぱり相手は男で振り払えない。
そのままタクシーに押し込められ、ついた先はマンションで。

……はい?
マンション?

「だから!
そういうのはセクハラ!ですって!」

「うるさい!」

ベッドに突き飛ばされ、両方の手首を縫い止められた。

上からじっと私を見つめる、蔵田課長の瞳。

なんか怖くなってぎゅっと目をつぶったら……耳に、湿った吐息。

「……いいから黙って寝ろ。
それとも、なにもかも忘れるくらい、抱いた方がいいか」

甘い重低音で、しかもいつもと違う口調でそんなことを云われ。
あたまからしゅーしゅーと音を立てて湯気が出る。
そんな私に顔を離すと、蔵田課長はニヤリと笑った。

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