丸い課長と四角い私
「傍にいてやるから、安心して寝ろ。
携帯も没収。
いいな?」

「……はい」

勝手に人の鞄を探って、携帯を取り出す蔵田課長を黙ってみていた。

……と、いうか。

あれはいったい、誰ですか?

枕元に座った蔵田か課長の手が私の顔から眼鏡を引き抜き、ゆっくりと髪を撫でてくる。
気持ちよくて、安心できて。
ずいぶん久しぶりに私は、夢も見ない深い眠りへと落ちていった。

ぐっすりと眠って、気分壮快で目覚めると、蔵田課長はいなかった。
そっと寝室を出ると、リビングのソファーで寝ていた。

「……起きたんだ」

「えっ、あっ、はい!」

突然、蔵田課長の目が開いて、慌ててしまった。
手近においてあった眼鏡をかけて、まるで猫でも撫でるみたいに私のあたまを撫でてくる。

「よく眠れた?」

「……はい。
その、ベッド、」

「なに?
一緒に寝た方がよかった?」

くすり、いつも通りの意地悪な笑顔。
昨日のあれは、きっと私の見間違い。

「朝ご飯作るから、ちょっと待ってて」

あたまをぽんぽんして、蔵田課長はソファーを立ってキッチンに向かった。

待っていてと云われても。
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