丸い課長と四角い私
「まあ、先月みたいにヘロヘロなのも困るけど。
元気が有り余ってる君もめんどくさいからイヤ」

「うるさいですねー。
……あ、上……特上カルビ、追加で」

「……人の金だと思って」

「えー?
なんですかー?
聞こえませーん」

思いっきり笑顔で返してやったら、またはぁっと小さくため息つかれた。

「ま、いいけどね」

ハーフリムの、銀縁眼鏡の奥の瞳が優しく笑ってどきりとした。
いつもの、小莫迦にした笑いとは違う顔。
この日だけはときどき、そういう顔を見せてくるからたちが悪い。

蔵田課長とこうして毎月一回、社外ミーティングと称して食事をするようになって半年ほどになる。

最初は、密かに嫌がらせを受けていたとき。
そのころやっていた仕事が、たまたまうまくいって。
珍しく、部長から褒められちゃったりして。
自分では調子に乗っているつもりはなかったけれど、まわりにはそう見えていたみたい。

それで、嫌がらせを受けるようになった。

いつも明るく元気に振る舞っているけれど、ほんとの私は人見知りで引っ込み思案。
相談できる友達なんて皆無だし、きっといたとしてもやっぱり、ひとりで抱え込んじゃっていたと思う。

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