丸い課長と四角い私
妙に鼓動が早いけれど……これはきっと、酔っているから。
そう片づけて、忘れることにした。



それから。

蔵田課長はちょくちょく、私を社外ミーティングだと云っては食事に誘い出し、私も次第に、そこでは愚痴や弱音を吐き出すようになっていった。
そのうち毎月最終金曜日が定例になり、書店で待ち合わせている。

ちなみに泣いたのは、あとにも先にもあれ一回きりだ。



春になり。

新人指導を任された私だったけれど。

……その新人が問題児で。

「佐々くん。
西田くん、は?」

「……無断欠勤、です」

「また」

「また」

蔵田課長とふたりで顔を見合わせ、同時に大きなため息が落ちた。
新卒で入ってきた西田という男は、週に三度しか出てこない。
月曜日は出てくるものの、ミスなんかを注意というか、指摘しただけで火曜日は無断欠勤。
出てきた水曜日にそれを注意すると、木曜日にまた欠勤。
で、金曜日に出てくるものの、はっきり云ってそこにいるだけ。

蔵田課長や下部部長は使い物にならない、厄介者を押しつけられたって嘆いていればいいが、私にはもっと厄介な問題がある。

――ブブッ。

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