Star of Galaxy
お茶屋さんとお花屋さん

 「おお、チャーミーお帰り」
「ただいま。おじさん」
「そうか、テスト週間だったな。お帰り」
銀河商店街の中にあるお茶屋さん『瀬野園』が私、瀬野茶美(セノ チャミ)の家。お茶屋だってことで、つけられた名前、茶美。だから、隣の花屋さんのおじさんは私の事をずっと『チャーミー』って呼んでる。子供の頃は何ともなかったけど、高校生になったころから、何となく恥ずかしくなってきた。でも、まぁ、この呼び方をするのはおじさんだけなんで、止めて欲しいとは言ってない。ただ、こうして毎日顔を合わすので呼ばれない日はない。
「今日は何勝何敗?」
お父さんに聞く。
「今日はなぁ、13勝14敗」
「はい、これで15敗っと」
っておじさんは、パチッと飛車を動かす。
「ああ!マジか~」
頭を抱える、お父さん。
アーケードのある商店街だから、お父さんとおじさんはお店の境目の所にDIYで二人で作った背もたれの無い木のベンチを置いて、朝から晩まで将棋をしてる。2人共一応『店主』なんだけど、うちはお母さんが店番してるし、おじさんの方は、このところ、半引退状態。何故かと言うと。

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