俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
だから、大丈夫。遺される側のこっちのことも。心配しないで。
……そう、願いを込めて。
『……伶士、おかえり!』
おじさんが向けてくれた笑顔が、次々と頭に過ぎる。
けど、目を閉じて横たわる目の前のおじさんを目にすると、もうお別れなんだと察して、次第に涙が溢れてきた。
……でも、時は待ってくれない。
誰もが無言で、その手を握る。
それぞれの思いを、何かを念じるように、強く。
その時を迎えるのを覚悟するかのように、
モニターの電子音だけが、病室に響いていた。
そして、散々病室でやかましくしていたモニターのアラームが……静かになり時を告げても。
「……19時46分、御臨終です」
終わる、その時まで。
最期まで、繋いだ手は誰も離さなかった。