俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

空を見上げて、想う

★★★







誰もに愛された愛情深く優しいおじさんが、その生を遂げて、永遠の眠りについた。

もう……本当に、目覚めることはない。



時間と共に宣告されてからは、おじさんの右手を握り続けていた大人三人は、暫し咽び泣いていた。

手を離さないまま。

母さんが「優さん、ありがとう……」と、仕切りに泣きながら呟いていたのが印象的だった。



菩提さんは目を閉じたままでいて、なずなは真っ直ぐ前を見据えていて……窓の向こうの遠い空に目をやっていた。

誰も……その手を離さなかった。





それからは、慌ただしくなる。

軽い処置のために一旦病室を出されると、皆は悲しみの余韻に浸ることなく、みんなして一斉に電話をかけ始めたと思ったら、菩提さんは医師に呼ばれていったり、なずなは母さんと柊斗さんを連れて何処かへ行ってしまったり。

誰に電話をかける用事もない俺は、病室への看護師さんの激しい出入りを、ただそこでボーッと突っ立って見ている状態だった。

なずならが戻ってきたと思ったら、ストレッチャーに寝かされたおじさんが運び出されたり……目まぐるしい。
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