マリオネット★クライシス
わたしたちの斜め後ろだ。
少し距離を開けてブラブラ歩いてる男がいる。
やぼったい、マンガに出てきそうな瓶底眼鏡をかけた男。
ひょろんと高い背を丸めるようにして、スマホに一心に目をやってて……
一見すると、ゲームに夢中のオタクって感じ。
それでも……なんとなくわかった。
あれは、演技だ。
だってあの人の注意はずっと、こっちに向かってる。
一体誰?
ジェイを追ってるとは限らない。
わたしを追ってる可能性もあるよね?
わたしのファン、ってことはないと思うけど……マスコミとか?
そういえば静さんのマンションから出る時、シャッター音が聞こえたような気がしたっけ。
関係、あったりする?
あのボサボサの前髪がなかったら、もっとよく見えるんだけど……
気になってつい、そっちへ身体を乗り出して――チラッと顔を上げた彼とまともに目が合ってしまい、ひえって棒立ちになった。
マズいマズいっ!
完璧気づかれた!!
「ジ、ジェイっ走ろう!」
「わっ、ちょっ!!」