マリオネット★クライシス
「ユウ、一口ちょうだい」
チラリと目配せをくれてから、ジェイがわたしのクレープにかぷっと食いついた。
「もう一口」
「えぇっジェイさっき1コ食べたじゃない」
「いいじゃん別に」
「ダメったらダメ!」
「ケチ」
じゃれあうようなセリフ――もちろん演技だ――で誤魔化しながら、わたしたちは周囲へ視線を飛ばした。
あの2人の姿は見えない。
かなり離れた場所にいたし……スマホがなければ、追跡できないよね。
ただ……
ダサい眼鏡の人がどうとか、言ってた気がする。
その人もわたしたちを尾行してた、みたいな話し方だった。
どうしよう、ジェイに言った方がいいかな?
でもそんな人、ほんとにいるかどうかなんてわからないし。
ドキンドキンドキン……
心臓が口から飛び出しそうな動揺を、一生懸命唇を結んで耐え、甘えてしがみつくふりしてもう一度、周囲をこっそり見渡してみた。
家族連れ、カップル、高校生……
わいわい楽し気にはしゃぐ人の群れに、さりげなく目を凝らす。
うん、大丈夫。
それっぽい感じの人は、いな――……
いた!!