マリオネット★クライシス

パアアアッて突然眩しい光に直撃されたわたしたちは、あたふたお互いから飛びのいた。

「社長! 邪魔すんなよ!」

「あらあらごめんなさーい」
ケラケラ笑いながら現れたのは、潤子さん。

光の正体は車のライトだった。
たぶん運転席には宇佐美さんがいて……

いつの間にか、駐車場までたどり着いていたことにようやく気付いた。

もしかして今の全部見られてた? 見られてたよね、これは。
うわ、ものすっごく気まずいっ。。。


「さ、もうすぐ夜が明けちゃうわ。早く乗りなさい」

ホテルまで送ってくから、という言葉が聞こえて、再び緩みかけたジェイの顔は――


「あぁ、もちろんホテルで降りるのは栞ちゃんだけね。ジェイの行先はスタジオだから」

冷酷すぎる宣告に、ピシッと凍り付いた。


「は、ぁああっ!?」

「『はあ?』、じゃないわよ! 今朝あなたがいきなりスタジオから脱走するから、新曲のレコーディングが中断したままなんでしょうが! せっかく最高のスタッフをそろえたんですからね、キッチリケジメつけてもらうわよ!」

「な、なっ……ちょっと待て! オレはこの日のためにプレジデンシャルスイートを……」

「えーなにー? 全然きこえなーい! はい、ジェイはレコーディングルームに監禁けってーい!」

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