マリオネット★クライシス

「ん、パーフェクト」
しばらくして、メッセージのやり取りは望む形で終わったらしく、ジェイの口角が満足そうに上がった。

そこを見計らい、さっきから気になっていたことを思い切って聞いてみる。
「あの、ぅ……なんで突然気が変わったんですか? 最初はダメだって言ってましたよね?」

恐る恐る口にするわたしを、きょとんとした顔が見つめ返した。

「別にダメだなんて言ってないけど? ただ、知らない男相手にポイ捨てすると後悔するよ、って言っただけ」

「はぁ、でもですね……」
今からまさに、“知らない男相手にポイ捨て”、しようとしてますが?

そうツッコもうとしたわたしを制するように、目の前で「ごめん」と手が挙がった。
「とりあえずそれ、止めよ?」
「それ?」
「敬語」
「敬語?」
「年齢同じくらいだし、普通でいいじゃん?」

普通……タメ口で話せってこと?

「わたしは構わない、けど……えっと、でも大学生くらいですよね? わたしはまだ高校3年で18歳で……」
やっぱりわたしの方が年下だ、と説明すると、彼は首を振って衝撃の一言を言い放った。

「オレも18だよ」


……はぁ?

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