マリオネット★クライシス
「じゅ、じゅーはちっ!?」
「そ。まぁ大学生ってとこは間違ってないけど」
あ、あぁなるほど、学年が違うのか。
とはいえ、ほぼ同い年じゃない!
それでこの色気? あんな深いキス、さらっとしちゃう?
無理無理! 日本の18歳、絶対負けてる!
アメリカのティーンズって、やっぱり相当進んでるんだぁ……。
なんて海外ドラマに毒された頭で考えた後、今更だけど何てこと頼んじゃったんだろうって、青くなってしまう。
自分よりかなり年上だと思ってたから、無茶ぶりもできたようなもので……
これは早めにどこかで降ろしてもらった方がいいのかも、と落ち着かない視線を泳がせた。
RRRR……
とその時、鳴り響いた着信音。
わたしのだ、ってバックの内ポケットからスマホを取り出してみると……
うわ、やっぱり猪熊さんか。
間違いなく怒り狂ってそう。
聞き慣れた電子音すらどことなく乱暴に聞こえてしまって、一気に憂鬱になる。
先に一言くらい謝っておこうかな……
「言い忘れてた。電源は切った方がいい」
ボソッと横から釘を刺され、タップしかけた指が止まった。
「えっと……どうして?」
「ほぼ確実に、追跡アプリが入ってる」
「追……って、えぇっ!?」
このスマホに?
まさか、そんなっ。