子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 彼との関係も深めておきたいし、今後のために伝手も増やしておきたい。参加しない選択はないが、そこに名ばかりの妻がいるとなると話は別だ。

 急に体調を崩してもらうという手もあるが、社交の場では夫婦で参加する方がなにかと都合がいい。男ひとりでいるよりは相手の警戒も緩むだろう。既婚者同士で話が盛り上がる場合もある。

 悩みはしても、結局俺に取れる選択肢はひとつしかなかった。

< 137 / 381 >

この作品をシェア

pagetop