子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 ほっこりと春の陽射しのような笑みを見せた琴葉が、俺の首に腕を回して自分からキスをした。

「保名さんとのキスは、いつも甘くてどきどきする」

「そんなふうに思ってるのはおまえだけだ」

 目を逸らそうとして、今はやめておく。

 かわいい妻を一秒でも長くまぶたに焼き付けておきたかった。

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