子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 これまで、食事の献立など考えたこともない。満足に食べられるかどうかが重要で、内容まで気にする余裕がなかった。たとえ野菜くずであっても、満腹になるなら私にとってはご馳走だ。

「……まだ仕事まで時間があるな。適当に朝食を作ってくれ。その程度の材料はあるから」

「えっ。あ……はい、わかりました」

 保名さんは私に朝食作りを言いつけると、仕事に向かう支度をするためか、自分の部屋へ戻っていった。

 さて、どうすればいいのだろう。朝食にふさわしい料理とはどんなものなのか、そこから考えねばならない。

 とりあえず、冷蔵庫を開けてみた。

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