私だけを愛してくれますか?

えっ! どういう展開?

『いわくら』にお願いしてみるってことでいいでしょ。

副社長と二人で話を詰める必要なんてある?


「そうですか? では、失礼いたします。吉木君頼んだよ」

部長は見るからにホッとした様子で部屋を後にする。袴田さんも申し訳なさそうに、部長の後に続いていった。

袴田さんはともかく、部長は残ってくださいよ!

心の中で詰るが、既に部屋には私だけだ。


「まあ、座れ」

副社長はアゴでソファをクイッと示し、秘書に通じる電話でコーヒーを二つ持ってくるように指示した。

コーヒーなんていいから、とっとと出店依頼をするお店を決めて私も帰りたい。

残念ながら声に出して言うことはできず、しぶしぶソファに腰かけた。

副社長もソファに移動してきて、私の対面に座る。

さっきまでは苦虫を噛み潰したような顔をしてたのに、なぜか今は穏やかな顔をしていた。

不可解な副社長の態度に困惑する。

< 26 / 134 >

この作品をシェア

pagetop