元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「…はじめまして。シャーロット・テイラーです」
お姉様の手前、挨拶をしないのは失礼かと思い、小さく呟き、頭を下げる。
「小さくて可愛らしいね。はじめまして、シャーロット。リアムです、よろしくね」
「ノエル・コックスです、よろしく」
リアム様は、優しく微笑み、ノエル様はほとんど表情を変えないで挨拶をかわす。
「さぁ、自己紹介も終わったし皆でおやつでも食べません?シャーロット、今日はあなたの好きなクッキーを用意してもらったのよ。リアム様たちもぜひ、一緒に!」
エレノアお姉様の言葉に幼い私は目を輝かせた。
その日を境に、時々、コックス兄弟はビクター伯爵家を訪れるようになる。
昔みたいにお姉様を独り占めできないことに腹を立て、歳が近かったノエル様に、
「お姉様をとらないで!」
と、牽制したこともあった。
しかし、まさかその数年後、リアム様とエレノアお姉様の婚約が発表されることになるなんて、幼い私は予想もしていなかったんだ。