元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています


――――…


というわけで現在。


街にはついたものの、慣れない服装で堂々と歩く度胸がなく、道の端で縮こまっていたのだ。

…確かに、アリスの言うとおりね。

時々通る女の子の中には私と似たような服装の子がちらほら見受けられる。

「エレノア、ずっとここにいるわけにもいかないだろ?そろそろ行くよ?……何なら僕がお姫様抱っこでもしようか?」

痺れを切らしたノエルがそんな提案をしてくるものだから、私は反射的にバッと勢いよく立ち上がった。

「だ、大丈夫!だいぶ慣れたわ。待たせてごめんなさい行きましょ?」


…ノエルなら本気でしかねないし、そっちのほうが何倍も恥ずかしい!


「…ふーん、ならいいけど……今日は、僕がエスコートするから、エレノアは着いてきてね?」


前半、ノエルが一瞬見せた残念そうな表情は、見なかったことにして。


ノエルのエスコートか、どこに連れて行ってくれるのかしら。

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