元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
結果オーライじゃないですか
と、他人事だと思ってケラケラ笑うルーナ。
私はそんな彼女にジトッとした視線を送る。
「…うっ…まぁ、確かにそうかもしれないけれど」
貴族社会は噂の宝庫。
悪い噂もひとり歩きしやすいがそれはまた逆も然り。
つまり、日々暇を持て余している貴婦人たちには、今回のようなネタは蜜の味というわけだ。
「さぁ。お嬢様、本日から忙しくなりますね。どのくらいパーティの招待状が来るのか楽しみです。朝食のご用意は済んでいますけれど運んでもよろしいですか?」
うふふと、素敵に笑った後、ルーナはそう言ってウインクをしてくる。
「…お願い」
「かしこまりました。それではしばらくお待ち下さいませ」
足取り軽く部屋を出ていく彼女を横目に私は再び小さくため息をこぼしたのだった。