元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
半ば諦めながら私もアルバートに視線を戻す。
すると、
「さ、エレノア。そろそろ僕らも行くよ」
「え、ちょっと…行くって」
スッと私の手を握り、何故かアルバートがいる方に歩みを進めるノエル。
そして、
「ミラー公爵、いやアルバート。この度は、当主就任おめでとう。友人として僕らからもお祝いさせてくれ」
「ノエル、エレノア。嬉しいよ、ありがとう」
と、肩を叩きあった。
いかにも芝居がかったそのやり取りを私は見つめる。
…な、なに?今度は何を企んでいるの?
嫌な予感しかしないが私もここで引くわけには行かずノエルに合わせて会釈をする。
その時だった。
二人の親しそうなやり取りを遠巻きに見ていたご婦人たちが
「まぁ。コックス侯爵はミラー公爵と親しいのですか?」
「それにビクター令嬢も」
と、声をかけてきた。
「えぇ。僕とノエル、そしてビクター令嬢はアカデミー時代苦楽を共にしてきた友人なのですよ」