元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
思い出すように話すノエルはおそらく嘘はついていないのだろう。
「思い当たる節って…?」
「それは言えない。アルバートに関わることだからね」
フッと、微笑む彼はそう言うと視線をアルに向けた。
たぶん、これ以上ノエルに聞いても彼は何も答えてくれないのだろう。
「…わかったわ。気づかなかった私の方が駄目だったんでしょうね…」
「色々わかりやすかったと思うけどね。時々ボロ出てたし」
「それ気づくのたぶんノエルくらいよ」
だって私はもちろん、ノエル以外の生徒で気づいている者はいないだろうし。
そのくらいアルバートは完璧に平民として演じていたもの。
秘密にされていたことに対して若干、怒りはあるもののそれ以上に感心させられたのだ。