元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
まぁ、ちょっと難しいところもあるけど悪い子じゃないのよね…。
だから、なんだかんだ彼女との微妙な距離感を保った関係を続けてきたわけだし。
ノエルとの婚約発表後、大量に送られてきた招待状の中にガーネットからの誘いがあった時はイライラしていた気持ちかほんの少しだけ落ち着いた。
ガーネットはちょっと変わっているけれど、人の嫌がるようなことはしないし、相手を蹴落とすような卑怯な真似はしない。
…それだけプライドが高いとも言えるんだけど。
「ルーナ、準備しましょうか」
「はい。お嬢様、とりあえず朝食もお持ちしますね」
普段通りの朝の光景。
そんなやり取りに気が緩んでいたのだろうか。
まさかガーネットが主催したティーパーティーが波乱の幕開けになるなんてこの時の私は夢にも思っていなかったのだった。