笑顔の花が咲くまでは#7~君にエーデルワイスの花を~
「その人は、とても優しい人だったの……でも、ある日突然会えなくなって……」

レティシアが、その時のことを話している時だった。部屋のドアが開いて、リーダーのシオン・アカツキが姿を現す。

「……これを見てほしいの」

シオンは、そう言って机にスマホを置いた。

「これは……ニュース?」

レティシアの言葉に、シオンは「ええ」と頷く。

「沼地で『スカフィズム』という方法で殺された遺体が発見された……」

エヴァンは、スマホに書かれた内容を口に出して読んだ。

「……スカフィズムって何?」

レティシアは、首を傾げる。それを聞いたミステリー小説家兼特殊捜査員のフィオナ・カモミールは口を開いた。

「スカフィズムと言うのは、拷問の一種です。牛乳と蜂蜜が混ざった飲み物を大量に飲まされ、体中にもそれを大量に塗ります。それを池の真ん中に浮かべて放置するんです。そしたら――」

この時点で顔を真っ青にする皆を見たエヴァンは、「ストップ!ストップ!」と淡々と説明をするフィオナを見つめる。

「それ以上聞いたら、気分が悪くなりそうな拷問みたいね……話は変わるけど、この拷問で殺された人間はマフィアの一員らしいの」

「……そうなんだ……」

シオンの言葉に、エヴァンはそう答えた。
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