笑顔の花が咲くまでは#8~私は同性愛者~
「フィオナ、目的地まで遠いから酔ったら言うのよ?」

法医学教室から遺体が盗まれる事件が多発しているため、捜査をすることになったミステリー小説家兼特殊捜査員のフィオナ・カモミールとリーダーであるシオン・アカツキは遠い町に行くことになり、バスに乗っていた。

「大丈夫です。私は、酔ったことがありません」

無表情でそう答えるフィオナに、シオンは苦笑した。



フィオナとシオンがバスに乗り、目的地に向かっている頃、大学生のエヴァン・カランコエは最初に遺体が盗まれた法医学教室の近くで動物に話を聞いていた。

「……なるほど……サルビアさん。色んな動物に声をかけてるけど、何も分からない……」

「それは困ったね。フリージアが心を読んで調べてくれてるけど、フリージアも分からないみたい……」

特殊捜査員のサルビア・ホープは、困ったように笑う。

『先程速報が入りました……』

近くにあったテレビから流れるニュースキャスターの言葉に、エヴァンはテレビに目を向けた。次の言葉を聞いて、エヴァンは目を見開く。

「……これ、フィオナとシオンさんの乗ってるバスだよね……?……バスジャック?嘘でしょ!?フィオナは、大丈夫なの?」

「エヴァンくん……落ち着いて」
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