幼なじみにつきまとわれています
「おかえり、乃々。
いらっしゃい、渡井くん」
「杉元さん、俺までなんかごめんね?」
「いーえ! 人数多いほうが楽しいじゃない? 渡井くんは、乃々の隣ね」
わたしの横に、拓海が座る。
拓海と肩が一瞬触れて、またドキッとした。
「渡井くんは、クレープ何にしたの?」
「俺は、いちごと生クリーム」
「乃々と一緒じゃん」
「ああ。乃々ちゃんが、昔からいちご好きだからね」
拓海。わたしがいちご好きだってこと、今も覚えてくれてるんだ。
拓海が、自分のクレープに盛りつけられているいちごをひとつ摘むと。
「乃々ちゃん。俺のいちご、あげる」
え!?
「はい、あーんして?」
ニコニコ顔の拓海が、わたしの唇へといちごを運んでくれる。