恋に異例はつきもので
 わたしは辻本花梨、27歳。

 大手広告代理店の子会社で、主に店舗プロデュースを行っているJ.Cカンパニーの営業部第3課に所属している。

 食事をごちそうになったこの女性は、香川沙織さん。
 今は別の課になったけれど、入社当初、わたしの教育担当をしてくれた大恩人。
 彼女もなぜかわたしのことを気に入ってくれて、今でもたまにこうして美味しいものを食べに連れていってくれる。

 現在、駅ナカ店舗再生プロジェクトのリーダーを勤めている才色兼備の沙織先輩は、わたしの憧れの人であり、目標でもあった。 
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