恋に異例はつきもので
 部屋に通じるドアを開けて中に入る。
 すっきりと片付いている。

「そこに座っとけ」部長は奥のソファーを指し示した。

 わたしは、キッチンに向かおうとする部長を引き止めた。
「あの、本当にすぐ帰りますので。ただ、わたし、どうしても部長に直接、言いたいことが……」

 ここまで来ちゃったんだから、いまさら迷っても仕方ない。
 覚悟を決めて、わたしは部長の目の前に立った。

 そうして、彼の目を見つめて

「あの、自爆覚悟で言います。部長……わたし、あなたが」

 でも、その後の言葉は告げられなかった。

 部長が最後まで言わせてくれなかったから……
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