Tear Flowers〜快楽は毒に変わる〜

「エヴァン、ありがとう。彼は白だね」

「えっ！？何でですか！？」

アルミンからの言葉にエヴァンは大声を出してしまう。無線の向こうからも、レティシアとフリージアの「どうして？」という疑問の声が聞こえてくる。それだけ誰もがユリウスを怪しいと睨んでいたのだ。

「理由はまたあとで話すよ。さて、最後に動いてもらうのはレイモンドだね」

アルミンのその言葉には、フィオナやエヴァンに指示をした時よりも緊張が見えていた。



職員室でレイモンドは先生たちと話して盛り上がっていた。本来の仕事は精神科医のため、人との距離の縮め方を一番よく知っている。二週間にして、レイモンドはユリウスを除く他の教員と親しい関係を築き上げてしまった。

「マーガレット先生、今度僕にも裁縫教えてください。料理は一人暮らしなので自信ありますけど、裁縫だけはどうしても苦手で……。ネモフィラ先生、さっきの美術の授業面白そうなことをしてましたね。僕も生徒と一緒に受けたいくらいでした。ダチュラ先生、科学の小テストを作るそうですね。僕に一度テストを受けさせてもらえませんか？」