不条理なわたしたち
次の日の朝、また蓮水さんに寝顔を見られていて、驚いた私は飛び起きた。
朝食は今日もデリバリー。
具沢山のサンドイッチだった。
食べながら蓮水さんに私を職場まで送ると何度も言われたが拒否した。
私の方が先に家を出たのだが、寒いからねと言って首に巻かれた蓮水さんの匂いつきマフラーも落ち着かないし、朝からいってらっしゃいのキスを頂戴した。
蓮水さんといると心臓に悪い。
「おはよ、葵ちゃん」
職場に入るとすぐに声をかけられた。
彼女は二つ上の先輩の職場の先輩の本庄《ほんじょう》さん。
化粧っ気がなく、サバサバしていて、接しやすい女性だ。
私の仕事は自動車の部品の納品書を作成するのが主な仕事だ。
十五人だけの小さな事務所。
本庄さんはこの仕事のことを教えてくれた信頼する先輩だ。