不条理なわたしたち
「葵ちゃんの仕事は土日休み?」

「そうです。蓮水さんもですか?」

「土曜日はたまに仕事に行くけどね」

どうやら休日は被るようだ。

「次の休みはデートしよう」

「え?」

お互いの休日の確認をしていたところに突然デートを申し込まれ、構えていなかった私はドキッと肩を跳ねさせた。

「嫌だった?」

不安そうな瞳が私に向く。

私達はお互いをよく知らない。
でもこうなったのは私達のせいだ。
私も蓮水さんと向き合わなきゃ。
赤ちゃんのためにも。

私は首を横に振ると「楽しみです」と返した。
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