暗闇の中で
(葉月視点)
キンコンカンコーン
学校の終わりを知らせるチャイムが鳴る。
チャイムの音で安堵の息を吐く。この場所からやっと抜け出せる。
そう思いながら、私はダラダラと友達と話し込んでる同級生を横目に教室を出る。
するとすぐ隣のクラスのいかにも正義感丸出しの女の子が話しかけてくる。
「今日も部活、来ないんですか」
私は首を横に振った。いつもながら事情を尋ねようとするその子を振り切り帰路を急ぐ。
思い出したくもない。思い出せるはずがなかった。何も知らないなら、何も知らないままでいい。知らない方が幸せな事はこの世にいっぱいある。




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