凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました～臆病な彼女を溶かす溺愛初夜～
　恋愛が原因で自分の人生を壊すなんておかしい。

　もちろん相手は私を不幸にするつもりはないし、私だってそう。

　しかしそんなつもりはなくても、どうしても上手く異性と付き合えない。

　元恋人からしたら当たり屋に当たったとさえ考えているかもしれない。

　とにかく私は、恋人に依存して相手を中心に世界を回し、大好きな人がなくてはならない存在になる傾向にある。

　どこかおかしいというのは自分で嫌というほど理解して、一度カウンセリングを受けてみたけれど……。

「日菜香ちゃん、寝てない？」

　こっちが感傷的になっている間に、隣で気持ちよさそうに目を瞑っている姉の肩をバシバシと叩く。

「ああ……ごめん。落ちてた」

　悪びれなく言う姿にクスクスと笑いが止まらない。

「部屋に戻って寝た方がいいよ。明日もあるんだし」

「えー、私たちの夜はこれからなのに？」

　渋りながらも瞼が落ちかけている。面白い人だなあと笑いをこぼしながら立ち上がり、姉の腕を掴んで引き上げる。

「明日のお昼もあるから大丈夫」

　方向転換をして、客室へと続くエレベーターに足を向けようとしたところ、視界に飛び込んできた人物にひゅっと息を呑んだ。

　不自然に歩みを止めた私を「どうした？」と姉が見る。
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